ご応募ありがとうございます― 面接官として、誰かの人生に「お祈り」を送る一日【評価4.2】

ディストピア企業の面接官となり、応募者を淡々と裁いていく。そんな後味の苦いシミュレーションが、Steamで話題を呼んでいる。

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2066年、空島市。あなたは「落とす側」になった

舞台は2066年のディストピア都市・空島市。15回の面接に落ちた主人公は、皮肉にも初級面接官として雇われ、今度は応募者の履歴書をさばく側に回る。会社が日々突きつける採用基準に従い、書類の整合性を見抜き、合否を下していく。IceLemonTea Studioが手がけた本作は、2026年6月19日にNo More Robotsから配信が始まった。価格は¥1,699と、インディーシムとしても手に取りやすい設定だ。

書類審査の手触りと、社畜生活の往復

ゲームの中核は『Papers, Please』を思わせる書類照合だ。実習証明、精神鑑定書、卒業証明と要求はめまぐるしく変わり、ときには応募者に電気ショックを与える「小さな権力」まで行使できる。もっとも、書類の種類は豊富ながら、判定の決め手は日付や名前の誤りに偏りがちで、種類の多さが必ずしも判断の多様さに結びついていないとの指摘もある。退勤後はアパートで家賃を払い、フォーラムを眺め、自分の精神状態を保つ生活が待つ。

そして本作最大の魅力は、面接官として昇進するにつれて会社の裏側が少しずつ明らかになっていく点だ。単なる書類チェックと思われた業務は、やがて企業の思惑や社会の歪みへとつながっていく。

効率至上主義、露骨な差別、そして採用活動そのものに隠された違和感。プレイヤーは応募者を選別しながら、自分自身もまた巨大なシステムの一部であることを思い知らされる。

ブラックユーモアの裏側には、「働くとは何か」という問いが静かに横たわっている。

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「中毒性が高い」一方で、終盤の単調さも

国内レビューでは「世界観の作り込み」「天候で変わる窓の外」といった細部への評価が目立ち、海外でも「addictive(中毒性がある)」「ルールが変化するので飽きない」との声が並ぶ。発売直後から「非常に好評」を維持。一方で、登場人物の見分けがつきにくい点や、終盤にイベントが薄くなり作業感が強まる点を指摘する声もある。就活でつらい記憶がある人には、テーマ自体が刺さりすぎる可能性もある点は留意したい。

こんな人に勧めたい

『Papers, Please』のような審査ゲーが好きな人、ブラックユーモアの効いたディストピアSFに惹かれる人にはまず間違いなく刺さる一本だ。結末は複数に分岐するため、一度クリアしたあとに別の選択を試したくなるリプレイ性も備える。2026年のインディーシム枠として押さえておきたいタイトルである。